自主見学 -4ページ目

卒業式の前後ストーリー④: wrestling

卒業式の前後ストーリー③ からの続き。


二日酔いではあったけれど、無事卒業式を終えたその日の夜の話です。


夜は友達の家でレスリングをしました。


「は?」と思った人のために、もう一度書きます。


夜は友達の家でレスリング、です。


早い話が「取っ組み合い」。男女入り混じってのレスリング。入り混じってはいるけれど、健全なレスリング。こんなパーティーは初めてです。異国の地で人生初の本気レスリング。


あれは夜8時頃でしたね。

友達の家に着きましたら、いきなり白人女性2人が「絶対倒す」とか興奮しながら僕に挑んできたんですね。「何事だ!?」としばらく状況が読めなかったんですけど、僕が到着するしばらく前からレスリング大会が催されていたみたいです。そういえば皆ちょっと汗ばんでる。


女性相手といえども「ここで負けては日本人の評価が下がる」と思いましたもんで、正味2分程で2人まとめて床に押し倒して、身動きが取れないようにしてやりました。そこでレフリーストップ。勝った!


おい、何をそんなに喜んでんだ

当たり前じゃねーか

お前は男じゃねーか

と、お思いの皆様へ質問。


発育の良い、いかにも「牛肉で育ちました!」みたいなアメリカの女性二人に突進されたことってありますか、と。


ホントに凄まじい力です。一瞬、小さいトラックかと思った。正直言うと、「ま、酒飲みながらの冗談レスリングだろ」 と高をくくってました。ところがですね、一旦始まると「やばい!」と思いましたね。「やばい!おら、倒されちまうだよ」 と。


2対1は不利だ、なんて訴えてる暇はない。二人で僕をバラバラにしようとしている!という程の力です。なんとか、運動不足で弱っている四肢を駆使して辛勝しましたけど、それからがまた大変でした。


僕がこの初戦で倒した二人組の女性、その夜で初めて負けたと悔しがるんです。図らずして僕の評価は急上昇ですよ。こいつは只者じゃない、という過大評価。なんてことだ。卒業式の後だし、僕は静かめに酒を飲み思い出なんかをシンミリ語り合いたかったのに。急な挑戦者、急なファイト、急な展開。


ルールは無いに等しい。パンチや金的、目潰しはもちろん反則だけど。相手を倒して馬乗りになれば勝ちってところでしょうか。いや、でも体勢を入れ替えられて試合再開ってこともあったし、、、とにかくほぼノー・ルールです。どちらかが降参するか、諦めるか。


その後も挑まれ続ける卒業生(僕)は幾度も試合をする羽目になり、快調に評価を上げたのです。その間あいだに酒(キャプテン・モーガン)を飲み続け、とうとう気持ち悪くなって、夜の11時頃に引退です。短い選手生命でした。でも楽しかった。こんな夜もいいものです。ってこれからの人生では有り得ないと思いますけど。貴重な体験でした。白人女性4人対僕1人、なんていう理不尽にも程があるだろという試合もありました。負けました。でも良いファイトだった。誇りです。何だそりゃ。


一見すると乱交ですが、Hなことは一切期待していけない本気の取っ組み合いでした。そんな夜が更け、次の日の朝、目が覚めると両足に激痛が走っており (走っておりっていうか猛ダッシュしており) まともに歩けませんでした。そして今現在 (東北の実家に帰省中) でも少し足が痛い。レスリングで骨をちょっと痛めたんだと思います。分かりますか?皆本気で戦ったわけです。足の指を折った女性も1人。あはは。笑えないよ、君。


3年に亘る留学生活はこうして幕を閉じました。卒業式とレスリングは土曜日、痛む足を引きずって荷造りをしたのが日曜日。日曜日は寝ずに荷造りと部屋の掃除をして、月曜日の早朝に町を出発。アトランタで乗り換えてフロリダへ向かいました。機内では睡眠以外何も考えられなかったです。たとえそれがどこであったとしても (腹ペコのピラニアが口を開けて待ち構えているアマゾン川のど真ん中であっても、閻魔大王が太い鞭を片手に微笑を湛える地獄の底であっても) 連日の睡眠不足でボロボロ&フラフラだった僕にとっては邪魔が入らない心地良いベッドになっていたでしょう。


飛行機嫌いの僕ですが、このときばかりは空の上で小刻みに揺れるその鉄の塊に付属する狭い席が、タイの山奥で昼寝をしたゆったりと風に揺れるハンモックにも似た素晴らしい空間に思えたのです。


雲の上ですっかり削ぎ落とすことに成功した疲労。フロリダに着く頃には生まれたばかりの赤ん坊のように、生気みなぎる一つの個体として、旅へのエネルギーがしっかりと調っていました。


「独り卒業旅行・フロリダ」に続く。


卒業式の前後ストーリー③: commencement

これは読み物として世間さまに公表するというよりも、己の、己による、己のための「超私的役立たずエントリー」です。って、通常のエントリーも大概同じカテゴリーに入りますね。


役に立たせよう、明日の学校・職場でヒーローになろう、いつかここで得た知識で世の中を救おう、なんて目的で読んじゃいけないわけです。


それでは、卒業式の前後ストーリー② からの続き。


アメリカの大学の卒業式。例の学者風の帽子と魔女風のガウン(長いゆったりしたマントですね)をまとい卒業式に出席しました。その下は原則的にスーツなんですね。古くから、郷に入っては郷に超従え、といいますし僕もスーツを着て出席。リクルートスーツの上にガウン。なんだかビジネスマンが戯れでハリーポッターごっこをしているような、そんな首から下。


汗ばみましたよ。風が強くて曇りだったからよかったですけど、スーツを着て、その上にガウンって、どういうことだ。正装した上にまた正装するような感覚で、なんだか違和感があります。ガウンの下は裸でもいいだろ!と友達に言ったら鼻で笑われました。議論にさえならなかった。裸では式へのリスペクトが足りなさ過ぎるんだってさ。ふ~ん。そういうもんですか。裸でもリスペクト光線出せる自信はありますけど。人は訊きますよね、リスペクト光線って何ですか、と。ごめんなさい僕もよく知りません。


卒業式はフットボールフィールドで行われました。大勢の関係者がスタンドから温かい眼差しと拍手を送り、会場の端に陣取った音楽隊が豪華っぽい音楽を奏でる中、式は滞りなく盛大に進行。それにしても、フットボールフィールドで卒業式って開放感があって良いですね。日本の大学も土俵で卒業式とか、どうだろう。音速で却下。


この日は強風だったんですけど、例の帽子が飛ぶわ飛ぶわ。押さえてないと帽子がケポーンと飛ぶんです。本当に強い風で。式の流れとしては、卒業生入場 (教授も同じ格好で同時に入場)、校長から簡単な挨拶、町の偉い人のスピーチ(15分ほど)、そして一人ひとりに学位の授与があり、最後に校歌を歌って終 了。至ってシンプル。


校長から学位を受け取り、彼と握手、それを写真に撮ってもらったら速やかに壇上を降ります。壇上では皆の帽子がケポンケポン飛んでました。アメリカの伝統ですから校長先生はミニスカートで壇上の真ん中に立っているわけですけど、強風で彼のスカートが時々ふわりと舞い上がったりして式の厳かさは限りなくゼロに等しい。なんていう罪の無い嘘はいかがですか。いらない。ごめんなさい。ちなみに帽子が飛ぶってところまでは真実。


卒業式の後は前夜 (関連エントリー:卒業式の前後ストーリー② ) の疲れがどっと出て、昼寝。数時間後に起きて、町をふらふら。アフリカ出身の黒人男性3人に混ざり2対2でバスケットなどして卒業の開放感の中、気持ちよく汗をかく。黒人が皆バスケが得意なわけじゃないんですね。日本人(僕)がチームの足をひっぱると思いきや、僕らが勝利。


夜のパーティーへ勢いがつきました。


卒業式の前後ストーリー④ へ続く。(④とフロリダの旅についてちょこっと書いたらまた母国エントリーに戻ります)

築地で朝寿司祭り

寿司。

3年の留学生活を終えて帰ってきたわけですけど、今朝、日本食の王様であられる「寿司様」を右手と舌で存分に味わい、極楽浄土を垣間見てきました。築地で。(関連エントリー:かのじょとかまつりとか


活気、熱気、男気。その3つが渾然一体となり無慈悲に折り重なる奥行きのある人生劇場。はい全然意味分かんなーい。


とにかくだ。活気があって市場っぽいですね、築地はじめて来ましたけど、なんだかワクワクしましたよ、と言いたかったの。ごめんなさい。遠回りしちゃって。


一つ前のエントリー("かのじょとかまつりとか ")では「新鮮な寿司をたらふく食う」とか言ってますけど、結局1時間半ほど並んで辿りついたカウンターで注文したのはニギリ7貫とマキモノ1本からなる「おまかせ」というコース。小動物的食欲の人が好みそうな少なさです。けれども僕らは潔く「おまかせ」することにしたのです。


これがまた大正解だったわけ。


もうね、こんな朝食が世の中にあったの!?みたいな、そういった感動。めくるめく感動のスペクタクルがアドベンチャラスな寿司の奥深くから湧き出てきて僕の心を捉えて放さない。また意味がボヤけましたけど、つまりは、美味しかった。うん。ごちゃごちゃ言ってないで、素直に一言言えばそれでよい。


美味しかった。


心配していた量もなぜか丁度よく感じ、最後には満腹も満腹、腹がもう一つあればそっちに少し移したい、というくらい(これは少し言いすぎだけども)とにかく満足できる量でした。


何回「うまい」って唸ったことか。脂の乗りきったトロとプリリと締まったイカのニギリから始まり、甘いウニが山盛りの軍艦巻きで完結した正味30分。幸せの定義が見えそうでした。


あるところにはあるんですね、本当に美味いものって。サンフランシスコのフィッシャーマンズ・ワーフで食べたクラムチャウダーも、ニューオリンズで食べた山盛り牡蠣フライも、バリ島で食べた海鮮バーベキューも皆美味しかったけれど、今朝のこの寿司の前では少し影が薄くなるかもしれません。(それにしても、舌が覚えている記憶って結構曖昧なものですね)


とにかく白旗あげて降伏したくなっちゃうような今朝の寿司、これはもう奇跡です。あのアナゴの柔らかさは一体なんなんだ。僕が今まで食べてきた2ダースほどのアナゴ一匹一匹に説教したいような、そんな気分にさえなりますね。アナゴよ!大志を抱いてくれ。お前らも頑張り次第ではこうなれるんだ!と。いや、実際にはなれないとしてもよ。


おまかせコースが終わってから別に注文したカレイも、淡白だなこんにゃろう!みたいなね、魚本来の良いところが全部出ているようで、それでいて古風な日本女性が持つ控えめな甘さが隠れているようで(って僕は海原雄山か)、とにかく最後の最後まで美味しい朝食だったと付け加えまして、本日はここらで失礼いたします。


寿司。

かのじょとかまつりとか

またまた登場、日本を愛してやまない霊長類の雄です。こんにちは。


日曜日に帰国して、数日経ってますけど興奮は収まらないですね。何を食べても「んーーー!」って叫んでます。東京周辺、レストラン、食堂、およびラーメン屋で叫んでいる男がいましたら、それは僕。遠慮なく罵声を浴びせてください。ばっきゃーろー!一口食べるたびに叫ぶんじゃねー!とね。


僕は遠慮気味に「んー」とか「もー」とか言いながら食事を続けるでしょうけど。


そんな東京生活。どこで暮らしているのか。数年お付き合いしておる彼女さんのアパート。はい。いきなりですが、彼女初登場。これからの生活に何かと関わってくる彼女さん。そろそろ舞台に上がらせないと日記など書くにあたって無理が生じると判断しまして、満を持しての登場。一切素性は明かしませんが、徐々に見えてくる、かも、です。ときどき「別の世界にいるんじゃないの?」と僕が錯覚する「剛の者」であるとだけ言っておきたい。


どんな東京生活になるのか、どんな就職活動になるのか、僕自身とても楽しみであります。


まず近いところでは、今週の土曜日、兄と築地で朝寿司祭りです。祭りの概要を説明させていただきますと、早朝(6時とか)に築地で集合しまして新鮮な寿司をたらふく食うというシンプルなもの。弟の卒業を祝って東京一新鮮な寿司を食わせてやるという兄の愛情がこぼれんばかり。とてもピースな祭り。朝寿司祭り。待ち遠しい。


母国!

帰国です帰国です!なんたって帰国です!母国に帰って参りました!


早速コンビニで買った餅に感動してちょっとホロリとしちゃいました。餅、美味い。だってさ、モチモチしてるんですよ。びっくりしました。噛んだら、深々と歯が食い込むんだもんね。ああ驚いた。餅に取り込まれるかと思いました。もし餅と同化しちゃったら僕はどうすればいいのだろ。世界一の餅を目指して他の餅と切磋琢磨するのみか。餅になってもハングリー精神は忘れたくない。どのフィールドであっても世界一を目指したい。ん。まず、「世界一の餅」の定義からはじめようか。いや、帰国早々こんな餅の話に終始していては、愛国精神に欠けると誤解される。愛国精神の塊のような僕なのに。


とにかくだ。コンビニや、定食屋が至るところにあるという事実だけで、テンションが異様に上がってます。卒業式前後と変わらないくらい高いテンション。コンビニはすごいね、それにしても。なんでもあります。プリンだけで何種類あるんだ、馬鹿者。今の「馬鹿者」は愛するがゆえに出たピースな馬鹿者。ピースなバイブレーションがほとばしって口をついたLOVEな馬鹿者。分かる?分かんない?分かんないのが普通です。分かってくれるのは窪塚氏くらい。だって僕は今、錯乱状態ですもの。美味しいものが近くにある。愛する人が近くにいる。文章を書ける状態じゃないかも。嗚呼よかった。新聞のコラムとか担当してなくて。世の紳士淑女が驚くような文章を書いちゃいそうです。


夢心地。


書きたいことも結構あったりしますが、当分はネットカフェでメールチェックのついでに更新、みたいなスタンスになりますもんで、エントリーはポツポツです。ミャツミャツです。出ました。帰国一発目のオリジナル擬音。無駄の極致。カロリーは違うところに使え、と言いたい。自分に厳しく。


「卒業式前後ストーリー」もフロリダに発つ前に完結させようと思ってたのに、、、。嗚呼。もうあんまり覚えてないかも。でも近々さらりと続きを書きたいと思います。フロリダのことも、そのうち。


卒業おめでとうのコメントをくださった皆様、心の中で祝ってくれた皆様、ありがとうございます。環境が整いしだい遊びに行きます。また構ってやってくださいませ。


少々肌寒い東京にて、現在、フロリダで激しく日焼けした肩の皮と格闘しております。もっとスルッと脱皮したいもんですけど、そうはいかず、真に見苦しい。んもう。人間ってば。

卒業式の前後ストーリー②: salsa

卒業式の前後ストーリー① からの続き。卒業式の前夜、ジョンの家族と対面するも、彼らは疲労&疑心で僕を歓迎してはいない。頼むからウェルカムしてくれ!ハグとかしてくれ!抱いてくれ!


あ。ちょっと興奮し過ぎました。言い過ぎた。抱いてくれ!とは思わなかった。


名前や出身地、ビジネスの勉強をしていたことなど、初対面で繰り返される極・極普通のイントロダクション。そこでジョンの兄貴、ジョニーがナイス質問。


「その手に持ってるのは何?」


僕が左手に持っていたもの、それはカリンバ。アフリカの楽器。別称、親指ピアノ。


僕「カリンバっす。アフリカの楽器ね」
ジョニー「弾いてみてよー」
ジョン「弾け弾け」


囃し立てられ、演奏開始。ちょこっと弾くと、ジョニーはじめ、みんなが「ほー♪」みたいな感じで感動してくれた。ジョニーは卒業式のために持ってきたと思われるビデオカメラを急いで取りだして、僕を撮り始める。


僕「いやいやいや。撮るんすか?チューニングが最悪だからねー、いま」
ジョン「誰も分かんねーって(^^」
僕「んならいいけどよー(^^」


一分ほどで演奏を切り上げると、全員の視線に、やっと温かみがでた。「このアジア人は害じゃない」と安心してくれた様子です。


ジョン「お前は太鼓なんだよな、いつもは」
僕「おう。いまも車ん中に太鼓あるけどね」
ジョン「あんの?!持って来い持って来い!」


っつーわけで、太鼓(ボンゴ)を持ってきて、さらに演奏。ステファニーちゃん(2歳)が太鼓に興味津々。何度も触ろうとするも、家族みんなから「だめ、ステファニー!いま彼が演奏すんだから待ってなさい!」って止められてた。可愛い♪


演奏開始。これまたさらりと一分ほどで演奏終了。みんながやんややんやの大騒ぎ。ありがとう。嗚呼。音楽。また僕を救ってくれたよ。やっとみんなが僕を歓迎してくれた。ジョニーからビールも勧められた。頂こう!今夜はオファーされた酒は全部飲んじゃおう!


部屋にベネズエラ音楽が流れていて、僕がサルサを見たいって頼んだら、ジョニーとジョニーの嫁(ガビ)が踊ってくれた。その動き、滑らかさ、完全にプロ。ある意味プロ以上。物心ついたころから踊ってるわけだもんね。ステファニーもちょっと腰を振ってるしね。こんな小さくても踊る欲求は内側から湧き上がるわけだ。


それにしても、ジョニーとガビ。日本に行けば即サルサ教室を開けるであろう、なんとも素敵な踊りっぷり。


どういう展開だったか忘れたけどガビが手取り足取りサルサを教えてくれた。30分以上の無料サルサ講座in the US。ビールを飲みながらのダンス教室。楽し過ぎる。ビールもすすむすすむ。


サルサで汗をかいた後は、ジョンと、兄貴夫婦と落ち着いて飲んだ。ジョンママは疲れたからベッドでお休み。ステファニーは僕の周りで遊んでる。可愛い。僕の後ろで飛び跳ねてるところを捕まえて、テイクダウン。きゃっきゃっと喜んでた。


2時間は飲んでました。ベネズエラの話、日本の話、この町に来る途中でジョニーがスピードオーバーでチケットをもらった話、などなど盛りだくさん。けど、酔ってたせいもあって、現在、会話の細部を覚えてはいない。貴重な情報がテンコ盛りだった気がするけど、、、もったいない。


日本文化の話になって、途中で僕が「日本人はあんまりハグしないね」って言うとガビが「なぜ?」を連発。感情を外に出していかないの?と。


そういえば、再会とか大きな出来事ではすることもあるけど、日常的にハグする人って少ないですね。ハグは心を安らかにするのに。抱き合うって行動を握手レベルにまでもっていけたら素晴らしい。パーティーなんかに行ってハグしないなんて夜はまずないような気がします。誰もが抱きついてくる。こういう素敵な文化はちょっとずつ周りから広めていこう。


僕「今晩だけでも5人くらいとハグしてるけど、親をハグしたこと、ないかも」
って言うとガビが「まじで?!」って顔でびっくりしてた。


僕「でも日本帰ったら誰にでもガンガンとハグしていくよ。僕が数年以内に日本の文化を変える!」
とか言うと、ガビが爆笑してた。それにしても、ガビはベネズエラ美人さんだ。すっと鼻筋が通った、、、とか顔の造りを表現するのは苦手だけど、とにかく美人さん。んー、ジョニーってば。上手く射止めたわけだね。


楽しい夜は更けるのも早い。時計の針が眠たそうに3時を通過する頃、お開きにしました。卒業式もあることだし、飲み続けるわけにはいかんよね。って、すでに随分飲んだけど。ジョンの家だけでも7、8本は飲んだ。サルサで汗かいた後だったから、飲むペースが普段より早くなるもの当然なわけで。


僕「ジョン、明日の朝さ、電話してくんない?起きれそうもないから」
ジョン「OK」


結局、土曜日の朝はジョンの電話で起きたわけだけど、また寝てしまった。式の45分前くらいに別の友達が心配して電話してくれて、なんとかギリギリ間に合った。"卒業式の前後ストーリー① "でも書いたように、1ガロン(3.78リットル)の水ボトルを持って会場入り。僕以外みんな良い顔してるよ。晴れの学位授与式、さわやかな顔で談笑している。僕の顔には死相が出てる。二日酔いの好例です。


なんとか気合を入れて、卒業仲間と笑顔で談笑。あ、、、頭痛、、。


卒業式の前後ストーリー③ へ続く。

卒業式の前後ストーリー①

何事もなく無事に卒業式が終わり、最後の瞬間を楽しんでます。卒業式(注:"commencement"と言いやす)は思ったよりあっさりと終了。


一人ひとり名前が呼ばれて、壇上に上がり、校長先生から学位を受け取るわけですが、僕の名前が呼ばれたとき、会場に来てる友達が色んな方向から叫んでくれて、かなり嬉しかったです。興奮であんまり聞こえなかったけど。音楽隊の人も特別に音を出してくれたり、なんか、本当に3年間の生活のすべてが詰まった一瞬でした。ああ。こんなに友達がいるんだー。と感動。泣こうと思えば泣けますね、こりゃ。


 卒業式の前夜、つまり金曜日の夜が激しく楽しい夜だったから、式典中は具合が悪い。一般に"二日酔い"と呼ばれる症状でございます。


アルコールを大量に摂取した翌日、酷い頭痛や吐き気をもよおし、「もう二度と飲まない、、、おら、もう二度と飲まないから」とブツブツ呟きながら神様に頭痛を取り去るよう真剣にお願いしちゃったりする、恐ろしい症状です。回復に必要なのはただ一つ。


水。


1ガロン (3.78リットル) の水が入ったボトルを持って式典会場 (フットボール・フィールド) 入りした卒業生は、僕だけ。卒業式用のガウンと帽子に身を包んだ、二日酔い卒業生。いいじゃないすか。首から掛けられた鋭く光るメダルを褒められたりしつつ、会場には不釣合いの鈍く光る1ガロンボトルの理由を聞かれる。


 「、、二日酔いですねん」

と。静かに答える。大声出すと頭痛がしますゆえ。


昨晩、あんなに飲むはずじゃなかったんだ。けれども、いいじゃないですか。ねー。友達と最後の日々を楽しく過ごすのは、大いに結構。やった!自己弁護に成功だ!


昨晩は友達の家で飲んでいまして、"ツー(2)・フィンガー・ファイト"という、人差し指と中指だけでするボクシングなどに興じまして(注:このファイトはこの町だけのものかもしんないです)、適度に騒いだ後に、ベネズエラ出身のジョン(関連エントリー:ぱーてぃードラム )の家族が卒業式に備えて来てるはずだと思い出し、挨拶だけしようと、ぶわうぃ~んとドライブ。風が気持ち良い。3分のドライブ。ね。本当に小さい町なんです。


ジョンの家に、確かに家族はいました。だけどみんな疲れてる。別の州から十数時間かけてこの町に来たわけだから、疲れてるのは当たり前。僕が家に入ってもしばらくは「なんだなんだ、このアジア人は。一体何者だ」という視線。痛い。そんな目に見ないでおくれ。決して危害は加えないから。優しい目で見ておくれ。


ジョンのお母さん(50歳くらい)、兄貴(30歳くらい)、兄貴の嫁(30歳くらい)、そして兄貴夫婦の娘(2歳)の4人。お母さんと兄貴の嫁はベッドで横になってるし!全くウェルカムの雰囲気が感じられない!


卒業式の前後ストーリー② へ続く。

大学終了!

期末テスト終了です!感動!


涙こそ出ませんが、目頭の奥の奥に熱いものを感じます。
目頭の奥の奥ってどこ?鼻?ま、いいや。目頭に構ってる暇はありません。


3年間、頑張って参りました大学生活。今日で終わりですよ。

この3年間で授業は30回くらいしかサボリませんでした。多いのか少ないのか全く分かりませんけど。

とにかく感慨深い。


最後のテストが夕方6時半頃に終了。感動と疲れで足がふらつくなか、7時から約束してたバンドの集まりへGO。


バンドのみんなで「サヨナラ・セッション」をしました。時々集まってレコーディングして遊んでただけですけど、もう演奏できないと思うと寂しさが募る。これまでに録音した音源をCDに焼いて、渡してくれた。嬉しい。嗚呼。1年しか一緒に演奏してないけど、素晴らしい音楽人たちでした。ギタリストはこの大学の教授なんですけど、ボストンのバークリー音楽院を卒業しているのだと今日聞いた(!)。音で会話する前にもう少し言葉でも会話をしておけばよかった。きっとまだ知らないことだらけだ。僕が日本帰っても連絡は取ろうと誓い合った。泣ける。

泣かないけど。


明日はいよいよ部屋の片付けですよ。ちょいちょいとステッキを振れば、所有物がダンボール箱に入る魔法を身につけようとしたんですけど、魔法を身につけるより自分の四肢を使って労働した方が結局は早く片付くのじゃないか、と気づきました。僕は賢いんです。IQが高いんです、きっと。すぐ気づきましたから。魔法より労働だろう、と。一瞬でも魔法に頼ろうとした事実からIQが70を下回ってる可能性を導き出したりしないでください。そういう間違った推論は鬼無視です。鬼の如く無視。鬼の如き形相で無視。図星をつかれたから鬼の形相で無視。


今部屋を見回しましたけど、物が多い。実はとっくに気づいてたんです。気づいていたけど、物が少ないような振りをしてました。自分を騙してました。あ、いま脳から質問が発信されました。


「君さ、まずこのギターはどうすんの?」


ですって。あらどうしましょう。売る?持って帰る?
かなり難しい選択です。思い出もありますし、手に馴染んじゃってるし。愛すべきアコースティックギター。2年ほどの付き合いです。どうしましょ。本当に悩みます。


ってこんなペースじゃ部屋の片付けなんて出来っこない!


明日一日で片付ける必要があるわけで、優柔不断は禁物。

捨てる物は捨てる。
持って帰るものは持って帰る。
送る物は送る。
煮る物は煮る。
焼く物は焼く。
醤油で味を調える物は調える。
パスタとからめる物はからめる。


きちんと
決めていかないと。


とりあえず
パスタとからめる所有物は
見当たらない。


お。選択肢が1個消えた。

このぺースなら
意外と早く片付くかもしんない!

卒業近し

着々と期末テストも終わり、残り2つ!今日2つ!感動ですね。

けど、どちらの準備も始めてません。どはー。こんなに準備できてないのは初めてかも。

今日の夕方にはテストも終わり、金曜日は部屋を片付けて、土曜日の卒業式とその後のパーティーに備えるだけ。


↑上の「すけぢゅーる」にあるように、卒業後はフロリダに一人ぼっち卒業旅行に行くわけですけど、何も分かっちゃいなかった。スペースシャトル見て、ディズニーワールドさらっと通過して、島に渡って、、、とか色々計画してましたけど、どうも4、5日では無理っぽい。主要観光地がすべてマイアミから数キロ以内にあると勘違いしてました。極・無知。


車やバスで30分とか、そういう距離じゃないみたいですね。無理ではないだろうけど、移動ばかりじゃ馬鹿馬鹿しい。ということで、キーウェストというアメリカ大陸最南端のリゾート地を目指します。旅のメインです。マイアミから250キロほど離れたところにある島です。Overseas Highway(海上幹線道路)をひたすら走る。文字通りOver the sea(海の上)を走る感じらしいです。レンタカー会社に電話すると「25歳じゃないと貸さないよー」って言われてショック。でも3つ目の会社は大丈夫らしい。$25余計に払えばよいだけ。うしっ!ドライブ決定。


なんて、海上ドライブに思いを馳せてないで、勉強はじめろ。自分。


現在朝の3時半。4時間だけ寝て、起きました。


さぁ勉強開始。生物。


最終学期に生物を取るって珍しいことらしい。そんなこと言われたって、残ってたもんはしょうがない。今回のテスト、主題は「エコシステム」と「進化」。色々な単語がずらりと並ぶ。記念に書いておこ。Autotrophs, Heterotrophs, Biological Magnification, Symbiosis, Mutualism, Commensalism, Parasitism, Predation, Climax Communities...いや~授業中もっと集中してればよかった。薄っすらとしか記憶にない。


さぁ勉強開始(2回目)。

A Call from India

電話が鳴る。


はいはいほー、と出る。


男。調子の良いセールス口調。

訛りの強い英語です。

またインドあたりから掛けてきてるとみた。アメリカの企業の電話代行はインドが主流みたいですね。彼らはもともと英語が話せるし、ちょっとアメリカのアクセントを教えれば賃金安く同じサービスが提供できるわけです。よくセールスの電話が掛かってきますけど、たまにインドっぽい匂いがします。匂いっていうか雰囲気。


軽い挨拶があって本題へ。

「do you make international calls?(国際電話って掛けますか?」

国際テレホンカードのセールス。


「yeah, but i don't think i need any phonecards 'cause i am going back to my country. (掛けるけどテレホンカードは要らないっす。もう国に帰るし)」

「ok, ah,,, (そうですか。んー)」

「。。。。。」

「。。。。。」


何。この沈黙。


ぶちっと切ってもいいけど、僕は機嫌が良い。


僕「どっから掛けてきてんの?」

相手「インドからです」

僕「やっぱりー。だと思った」

相手「あなたは?」

僕「アメリカの●●●●」

相手「ふ~ん。そこは都会?」

僕「馬鹿言っちゃいけねーよ、田舎も田舎、砂漠みたい」

相手「あははは。でも楽しそうだね」

僕「だね。あんたはインド出身?」

相手「ううん。チベット」

僕「ま~じで?!」

相手「うん」


突如始まった不思議な会話。結局15分くらい話してた。彼は時間を潰したいらしい。つまらない仕事なんだ、と言いたげだった。はっきりとは言わないけどね。とにかく好きなだけ話してていいみたいです。


会社の電話、完全に私物化。


最後にはメールアドレス(念のため普段使わないやつ)を教えて、終了。向こうが教えてくれって言ってきたもんで。仕事中に何してんだよー、って突っ込みながら教えました。電話だから一文字ずつ丁寧に。それでも彼は「え?、、、いまの何?」て聞いてくる。"H as in house (ハウスって単語のHね)"とかはっきり言ってんのに、「え?、、、え?」て。

根 気 強 く

一 文 字 ず つ。


相手はチベット出身。彼の話によると、ホイホイッと母国チベットに戻れないらしいです。詳しくは聞かなかったし、彼だけかもしれないけど(犯罪とか、そういった理由で)。経済的理由で帰れないというならまだしも、国自体の体制などが理由で戻れないというのは辛いです。きっと意を決して国を出たんでしょう。僕ら日本人はすんなりと帰国できるけど、簡単に出入国を許さない国も、きっと沢山あるんですよね。北朝鮮もそうだし。チベットも北朝鮮も「A級複雑」のカテゴリーに入るのかもしれないけど、自分の国に帰れない人達がいるのは事実。容易に出れない人達がいるのも事実。そんな中で自分の留学、2週間そこらに迫った帰国を考える。恵まれてるとしか言えない。違う国で生まれた、ただそれだけで僕は自由、彼には制約。


ギャップ。


当たり前に思っていた自分の環境に感謝。感謝しつつ、"超"他人である彼の幸福を願う。


聞き取りずらかったから彼のメールアドレスは諦めた。まず彼がメールをくれなければ、超他人の僕らはこれからも一生超他人。チベットの話、もっと聞きたい。メールくれ!


ってこのブログでビックリマーク使っても意味がない!


「僕が教えたメールアドレスを彼が正確にメモれたか」が最大の鍵。確認したから大丈夫だと思うけどなー。でも「その確認を僕が正確に聞き取っていたか」が2番目の鍵。


さぁ。メールよ来い!