卒業式の前後ストーリー②: salsa | 自主見学

卒業式の前後ストーリー②: salsa

卒業式の前後ストーリー① からの続き。卒業式の前夜、ジョンの家族と対面するも、彼らは疲労&疑心で僕を歓迎してはいない。頼むからウェルカムしてくれ!ハグとかしてくれ!抱いてくれ!


あ。ちょっと興奮し過ぎました。言い過ぎた。抱いてくれ!とは思わなかった。


名前や出身地、ビジネスの勉強をしていたことなど、初対面で繰り返される極・極普通のイントロダクション。そこでジョンの兄貴、ジョニーがナイス質問。


「その手に持ってるのは何?」


僕が左手に持っていたもの、それはカリンバ。アフリカの楽器。別称、親指ピアノ。


僕「カリンバっす。アフリカの楽器ね」
ジョニー「弾いてみてよー」
ジョン「弾け弾け」


囃し立てられ、演奏開始。ちょこっと弾くと、ジョニーはじめ、みんなが「ほー♪」みたいな感じで感動してくれた。ジョニーは卒業式のために持ってきたと思われるビデオカメラを急いで取りだして、僕を撮り始める。


僕「いやいやいや。撮るんすか?チューニングが最悪だからねー、いま」
ジョン「誰も分かんねーって(^^」
僕「んならいいけどよー(^^」


一分ほどで演奏を切り上げると、全員の視線に、やっと温かみがでた。「このアジア人は害じゃない」と安心してくれた様子です。


ジョン「お前は太鼓なんだよな、いつもは」
僕「おう。いまも車ん中に太鼓あるけどね」
ジョン「あんの?!持って来い持って来い!」


っつーわけで、太鼓(ボンゴ)を持ってきて、さらに演奏。ステファニーちゃん(2歳)が太鼓に興味津々。何度も触ろうとするも、家族みんなから「だめ、ステファニー!いま彼が演奏すんだから待ってなさい!」って止められてた。可愛い♪


演奏開始。これまたさらりと一分ほどで演奏終了。みんながやんややんやの大騒ぎ。ありがとう。嗚呼。音楽。また僕を救ってくれたよ。やっとみんなが僕を歓迎してくれた。ジョニーからビールも勧められた。頂こう!今夜はオファーされた酒は全部飲んじゃおう!


部屋にベネズエラ音楽が流れていて、僕がサルサを見たいって頼んだら、ジョニーとジョニーの嫁(ガビ)が踊ってくれた。その動き、滑らかさ、完全にプロ。ある意味プロ以上。物心ついたころから踊ってるわけだもんね。ステファニーもちょっと腰を振ってるしね。こんな小さくても踊る欲求は内側から湧き上がるわけだ。


それにしても、ジョニーとガビ。日本に行けば即サルサ教室を開けるであろう、なんとも素敵な踊りっぷり。


どういう展開だったか忘れたけどガビが手取り足取りサルサを教えてくれた。30分以上の無料サルサ講座in the US。ビールを飲みながらのダンス教室。楽し過ぎる。ビールもすすむすすむ。


サルサで汗をかいた後は、ジョンと、兄貴夫婦と落ち着いて飲んだ。ジョンママは疲れたからベッドでお休み。ステファニーは僕の周りで遊んでる。可愛い。僕の後ろで飛び跳ねてるところを捕まえて、テイクダウン。きゃっきゃっと喜んでた。


2時間は飲んでました。ベネズエラの話、日本の話、この町に来る途中でジョニーがスピードオーバーでチケットをもらった話、などなど盛りだくさん。けど、酔ってたせいもあって、現在、会話の細部を覚えてはいない。貴重な情報がテンコ盛りだった気がするけど、、、もったいない。


日本文化の話になって、途中で僕が「日本人はあんまりハグしないね」って言うとガビが「なぜ?」を連発。感情を外に出していかないの?と。


そういえば、再会とか大きな出来事ではすることもあるけど、日常的にハグする人って少ないですね。ハグは心を安らかにするのに。抱き合うって行動を握手レベルにまでもっていけたら素晴らしい。パーティーなんかに行ってハグしないなんて夜はまずないような気がします。誰もが抱きついてくる。こういう素敵な文化はちょっとずつ周りから広めていこう。


僕「今晩だけでも5人くらいとハグしてるけど、親をハグしたこと、ないかも」
って言うとガビが「まじで?!」って顔でびっくりしてた。


僕「でも日本帰ったら誰にでもガンガンとハグしていくよ。僕が数年以内に日本の文化を変える!」
とか言うと、ガビが爆笑してた。それにしても、ガビはベネズエラ美人さんだ。すっと鼻筋が通った、、、とか顔の造りを表現するのは苦手だけど、とにかく美人さん。んー、ジョニーってば。上手く射止めたわけだね。


楽しい夜は更けるのも早い。時計の針が眠たそうに3時を通過する頃、お開きにしました。卒業式もあることだし、飲み続けるわけにはいかんよね。って、すでに随分飲んだけど。ジョンの家だけでも7、8本は飲んだ。サルサで汗かいた後だったから、飲むペースが普段より早くなるもの当然なわけで。


僕「ジョン、明日の朝さ、電話してくんない?起きれそうもないから」
ジョン「OK」


結局、土曜日の朝はジョンの電話で起きたわけだけど、また寝てしまった。式の45分前くらいに別の友達が心配して電話してくれて、なんとかギリギリ間に合った。"卒業式の前後ストーリー① "でも書いたように、1ガロン(3.78リットル)の水ボトルを持って会場入り。僕以外みんな良い顔してるよ。晴れの学位授与式、さわやかな顔で談笑している。僕の顔には死相が出てる。二日酔いの好例です。


なんとか気合を入れて、卒業仲間と笑顔で談笑。あ、、、頭痛、、。


卒業式の前後ストーリー③ へ続く。