自主見学 -7ページ目

蛇ランチ

昨日言った通り今日のランチは蛇肉。数人に声を掛けたものの誰も乗ってこない。「蛇?!いや、食わない」とあっさり断られた。そんなわけで蛇ランチ、参加者はキャサリンと僕だけ。袋に入ってカチカチに凍ってる蛇肉を冷凍庫から取り出す。「もう後には引けぬぞ」とアイコンタクトで最終的な意思確認。電子レンジに放り込み解凍開始。ちなみに、肉は皮が剥いであって頭も付いてない状態で買いました。6、7分掛かってやっと解凍。蛇の生肉に直タッチ。うひょー!ヌメッとするー!ん?そうでもないか?気のせいか?なんせ蛇に触るなんて初めてだから何もかもが新しい。

 

キャサリンと二人でワーワーキャーキャー騒ぎながら台所でバタバタぐるぐる。5歳児が初めてホットケーキ作ってます、みたいな状態。柔らかくなった生肉をこねくり回してると肋骨発見。うはー!細長いから肋骨が多いな君は!まるで昔懐かしい肋骨大魔王みたい。はいそんなキャラクター存在してなーい。ごめーん。真ん中の骨だけじゃなくて、肋骨までちゃんとあるわけだね。感心感心。って感心してる場合じゃないのね。ちょっと臭うのね。そりゃ蛇だもの。でもまあ、クンクンするとちょっと生臭いってくらいだから、他の肉と大差ないか。魚はもちろんのこと豚だって牛だって多少は生臭いからね。生臭くないのはイタリア人くらいです。えー?!これ、ずっと前を歩いてるあのイタリア人の香水のニオイなの?そうだよ。ロレストだね。とか。

 

少し脱線したか。脱線による怪我人は2名。いずれも軽症。話は戻って蛇料理。

 

其の壱:「フライパンで焼いてみようか」
タマネギを切りまして、フライパンで炒める。そこに蛇の肉、堂々と登場。ずど~ん!ぐるぐるぐる~!塩コショウは無し。まずは最低限の味付けで蛇肉の実力をみる計画。いい塩梅になったので初蛇肉を口に運ぶ。なんだか法律を破ってるような感覚があるね。いいのかしら、これ食べちゃっていいのかしら、と。もぐもぐ。はい

 

微妙!

 

初めての食べ物って大概そうだと思うけど、微妙なんだよね。キャサリンは「これ、OKだよね」とか言ってる。まあOKと言えばOKだね。OKの定義ははっきりしないけどOKっぽい雰囲気が台所を包んだ。かなり歯ごたえがある肉ということが分かった。そして骨が多くて食べれるところが少ない。1パウンド(約450g)っつっても結局肉は半分くらいか。

 

其の弐:「油で揚げてみようか」
キャサリンは用意した深めのフライパンに油を適量注ぎ、まず一切れだけ放り込む。べばばばば!ばちバチばちバチ!「きゃー!」

 

きゃー、じゃないよ。何事だ。半端なく水分がついてたらしく、油が跳ねる跳ねる。勘弁して頂戴。残りの肉も順次入れていき、滞りなく「蛇の唐揚」が出来上がる。BBQソースをちょっとつけて白米と一緒に頂く。あ

 

うまいかも!

 

さっきは二人とも蛇肉に対してウブだったし、ほとんど素の味だったし、いまいちノリ切れなかったけど、これは良い。唐揚は美味い。うん。これならたまに食ってもいい。今日のランチは蛇肉の唐揚と白米。そしてビール。月曜日だっていうのに蛇料理でテンションが上がっちゃった僕らは冷えたビールで乾杯。キャサリンは明日テストがあって、僕は夕方から授業があったけど、あまり深く考えずに乾杯。卒業間近で一層大学生活らしくなってきた。僕がビールを2本空けた時点で今回のイベント「蛇ランチ2005春」終了。彼女のアパートを出る。生暖かい風が僕のゆるい服を通り抜けた。気持ちいい。春好き、学校嫌い、蛇肉好き、宿題嫌い。そんな平均的な大学生が僕というホモサピエンスの雄。青空と満開の花たちが、ほろ酔い気分を一層ハッピーにしてくれた月曜日の午後3時。

蛇とココナッツ

昼の1時過ぎ、空腹を感じまして、何を食べようかと考えたわけです。そこでふと名案が頭にヒット。「そうだ、蛇を食べよう」と。え?と思われた方がいると予想しますので説明。今日を最終日として3日間「スネーク・ハント」というイベントが僕の町から30分のところで開催中だったんです。スネーク・ハントは直訳で「蛇狩り」。なんだよその直球的なイベント名、と最初に聞いたとき思ったもんだ。この3日間は蛇狩りが解禁となる、それはそれは狂った祭り。会場では蛇が食えるという噂も友達一人から入手済みだったわけで。こりゃ行かねば後悔すると思ったわけです。

 

蛇を食べようと思い立った30分後には、ケニア人の女の子(キャサリン)と祭りに向かっていた。今日も愛車ホンダシビックは快調。感謝。気温は20度ちょい。完璧な春。途中でスーパーに立ち寄ってココナッツを買う。ココナッツの汁が飲みたいという欲求が頭をヒット。思いつき。蛇を食ってココナッツを飲むなんて漂流後に流れ着いた無人島での食生活っぽい。かつて、無人島での生活に憧れたことがある。それが今日、1度限りだけど叶う喜び。胃に入るものは蛇とココナッツのみ。素晴らしい。待ってろ蛇め!丸ごと食ってやる!尻尾からいってやる!とちょっとフライング気味に興奮。興奮状態、空腹状態で平坦なアメリカの道をひた走る。牛が草を食んでいる。「ビーフなんてウンザリだ!ブゥーブゥー!」と無関係の牛にブーイングなどしながら、蛇肉へと吸い寄せられるように走る、走る、走る。時速110キロ。牛の横を通り抜け、僕らは南へと走る。

 

会場は小さい町の中心。適当な場所に車を停めて会場を歩いてると、数人がテントの片付けとか始めちゃってるわけ。へ?!ってなったよ。へ?!って。終わりなの?さらに歩いていくとイベントの中心と思われる場所に出る。まだ数百人が騒いでいてとりあえずホッとする。遊びで来たわけじゃないぜ腹いっぱい蛇を食うんだぜ、とヤケにテンションが上がってくる。段々と興奮してくる。完全に祭りと一体化しちゃってる日に焼けたおじさんに「蛇食いたいんすけど、どこで食えますかいな」と尋ねると「あ、そこのレストランで食えるよ」と簡単に言い放たれた。おふっ!噂は本当だったわけだね。高鳴る鼓動。広まる歩幅。大して蛇なんか食いたくもないのに連れてこられたキャサリンと、空腹で興奮状態の僕が蛇レストランに入店。普段は普通のレストランなんだろうね。蛇レストランなんて呼んじゃったけど。ごめんね、なんか。

 

僕「こんにちはー。ここで蛇食えるって聞いたんですけど」
スタッフのおばちゃん「あら、さっき終わっちゃったのよー」
僕「え?!!食えない?!」
おばちゃん「ごめんなさいねー」

 

どわー!!蛇食えねーのー?!!主目的が達成されない旅ほど悲しいものはないんだよね。

 

おばちゃん「あ、でもね、奥に生肉ならあるよ?1パウンド(約450g)、5ドル(約540円)」
僕「あ、それ買う!ください!」

 

そんなわけで蛇の生肉1パウンドを買って帰還しました。肉は明日料理する予定。キャサリンが何かしら振り掛けて、火みたいなもので焼いたり焦がしたりして、何かしら皿っぽいものに乗っけて、なんとか口に入れても大丈夫な状態にまでもっていってくれるはず。明日のランチは蛇の肉だ!って、なんだかとっても非現実的だ!

 

ココナッツと蛇という黄金の無人島コンビネーションはお預け。ココナッツは帰り道に車を停め、道路脇になぜかあったベンチで食べました。地面にガツガツ叩きつけると割れるんだね。地面にガツガツ、それが合言葉。高級なナイフも、空手の技術も、まして象なんていらない。地面にガツガツ。答えは意外と近くにあるものだよ。広大な大地の真ん中でココナッツの汁を味わい、実をかじる。これまた日常的に非ず。まる。遠くで牛が草を食んでいる。春は良い。文句無く良い。

サンバ!

こんにちはー!ブラジル、リオに来てます!素晴らしいね、リオ!最高だね、リオ!インターネットも日本語OK。さすがだね、リオ!大学は休学しました。卒業間近だけど休学。ま。休学手続きなんて要らないんですけど。とった単位は手元に残って、足りない単位だけ取ればいつでも卒業。それにしてもブラジル、コーヒーが美味い!2日間集中して学んだポルトガル語は全然分からないけど、英語で何とか乗り切れそう。2月にカーニバルが終わったってのもあるけど、町が少し熱を失ってる気がするね。でもね、まだ時々いますよ。踊り子さんが!羽のたくさん付いた服を着て歩いてる女性が!50メートル向こうを歩いてるそんな女性に「踊ってー!」と叫んで頼むと踊ってくれる。すごい。腰がすごい。夢みたい。嘘みたい。

 

嘘です。今日は世界中で嘘が溢れかえってる日らしいです。人間は暇だから色々な日をつくりますね。うほー!暇だー!みんなで嘘でもつこーかー!ってノリなの?そんなわけで僕はアメリカの田舎町にいます。計画通り5月に卒業。

 

ああ。ブラジル行きてー。シカゴで本場ブルースを体験できたから、次はキューバかブラジルで本物のリズムに浸かりたい。どっぷり浸かりたい。ちゅっぽり浸かりたい。てっちり浸かりたい。きゃまらっぱら浸かりたい。へー。「どっぷり」しか合わないんだね。言葉の実験って大体失敗するんです。でもまあ"きゃまらっぱら"は駄目かなってのは薄々気づいてました。けどいつか辞書に載るような言葉を生み出したい。そんなわけで日々闘志を燃やしております。50歳までには何とか一つ、と。今のところ"きゃまらっぱら"しか候補がない。お願いだから使ってくださいと。今日はお願いに参上しました。「かなりリラックスした感じ」を演出するために使います。使い易い言葉です。例)健二ってば5時間目はいつも"きゃまらっぱら"昼寝してるの。先生に言っても「ああ。健二か。大会が近いし練習で疲れてるんだろう。少しくらい"きゃまらっぱら"寝させてあげようじゃないか」なんて言うの。んもうっ!隣で"きゃまらっぱら"イビキかいてる健二の隣で勉強する私のことも考えて欲しいわね!ほんと高橋先生って、生徒に対して"きゃまらっぱら"すぎるのよ。

鼻長動物

こんにちは。はじめまして。今日、近くのスーパーマーケットでココナッツを買いました。割りたいけど割れません。飲みたいけど飲めません。唯一所有している果物ナイフじゃ歯が立ちません。空手は習ったことないし。拳でココナッツを割る案は却下です。象は飼っていないですし。象に踏んでもらう案も音速で却下です。じゃあ一体どうやって割ればいいってんだ。可能性がすべて絶たれているかのよう。今日から空手を習うべきなのか、象を闇市で買うべきなのか。当方、後者に多少興味あり。前足でココナッツ割ってください。大袈裟すぎるアクションでココナッツという僕の夢を開いてください。バラバラになってココナッツかどうかの判別がつかなくなっても、この際構わないです。キョウリョクシャ、レンラクマツ。ゾウツカイ、レンラクマツ。

 

送信。

立ち小便

外で立ち小便などという反社会的なことを(友達の家の庭だからOKという即席の基準を設けて)してましたら、何処からともなく風が吹いてきて服のお腹部分に空気がたまりました。あらあらあら。太ったらこんな感じなんだよね。ときどき思い出したようにチラリと見える己の付属物。放物線を描く健康的な尿。妊婦はもっとお腹が出るよね。こりゃ立ち小便も容易じゃないな。なんて思った瞬間、妊婦は立ち小便しませんよと神のお告げ。神様、ビンゴ。そのお告げ、ビンゴですよ。

心あらず

僕の身体から魂が抜けて久しいわけですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。残り少ない大学生活、最後まで集中力を保って完結させたいのだけど、僕の魂は3月8日付けで日本へと帰国してしまいました。親父の誕生日に合わせて。さようなら元気で勉強してね、と言い残して。こうなると大変です。心(魂)ここにあらずですから。本当にここにあらず。こんな状態で勉強なんてできるもんか。もんかもんかですよ。なんたる日本語の乱れ。もんかを2度繰り返して何になるか。このたわけが!

 

にしても、心ここにあらずなんて上手いこと言いますね昔の人は。江戸?江戸の人?そんなことを突き詰めてどうなりますか。今すぐにでも明日あるテストの勉強をしなきゃいけない自分なのに。ね。こういう感じで全然集中できない。江戸?とか尋ねてる場合じゃない。一刻も早く勉強を始めないと。

 

心から集中したいと願ってはいるんですけど肝心の心がここにない。心から願おうとしてもその原動力となる心がここにあらず。そういう因果な話です。助けてー。教科書がキャベツに見えるー。

太陽を見送って徹夜

起きると夕方だった。太陽。ほぼ1日ぶりに再会したってのに、2時間後には帰り支度をはじめる太陽。おいおいもう少し居られないのか。ごめんなさい約束があるの。そう言うと彼女はオレンジ色の雲を少しばかり後ろに残して、水平線の奥へと消えていく。なんて自分勝手なんだ。僕の都合なんてお構いなし。容赦ない。ごめんなさい約束があるの、って何の約束だよ。

 

春休みが終わる。止まっているように思えた時間は、確実に進んでいたもよう。

 

今日は寝ない。この休み中で一番早く起きたのは午前11時。一番遅いのが今日、夕方4時。夕方4時に起きておいて夜ぐっすり寝れるわけがないし、早朝5時とかに寝たとしても9時の授業前に起きれるはずがない。ないない尽くしで徹夜決定。駄目留学生ここにあり。

ナイフ

驚いたねー。春休みだし、卒業も近くて幸せの真っ只中にいるってのに自殺しそうになった。セロリを切ってて。切ってたって言うか外側の厚い皮を削ぐような感じで果物ナイフを華麗に操ってたんですね。自分ってば器用で華麗!とか叫びながら。

 

そんでセロリを脇に置いて別のことをはじめたんです。右手にナイフを握ったまま。するとあら不思議。すんごい勢いでナイフの存在を忘れて、その金属製の凶器はすんなり右手の一部と化しました。おれに触るんじゃねぇ触ると怪我するぜ果物ナイフだぜ。の状態。でも本人は気づいてない。

 

そして間もなく(ナイフと一体化した)右手を素早く左手と交差させるアクションをとってしまいまして左手首にナイフがサクッ。思わず「うみゅっ!」とか叫んでた。恰好悪い。全くもって恰好悪い。

 

左斜め前にあった何かを右手で取ろうとしたことによる事故。ナイフがきっちり左手首の内側をサクッ。春先の小さなオーマイゴット。焦る焦る。結果から言うと血はほとんど出なかった。でもそれはナイフの切れ味がC級だったからであって、力の入り具合とかスピードを思い返してみますに自殺級だった。間違いない。

 

サックリと切れた傷の下にはドクドクと元気の良い血管がある。鼻歌交じり、ハッピーな気分でのリストカット。ハッピーリストカッター。冗談じゃない。冗談じゃないよ。あ。左手の手首が痒くなってきた。前も似たようなカット事件があったな。何が問題なんだろうと考えますにセロリと桃が夕食とか、こういうセロリ主体の間違った食生活が問題だろうね。米を炊こう米を。

春休み

春休み突入。春休みに入ったら入ったで、田舎町ゆえ時間だけ余ってしようがない。ま、とりあえず飲みますかってんで友達と飲みはじめたら飲みすぎてしまって。昨晩はウイスキーを12ショット。そして適当に作られた似非カクテルを数杯。カルーアミルクを2杯。肝臓をはじめとした臓器の皆さんお元気ですかと、そういう気遣いをしたところで返事なんて滅多に返ってこない。返事がないってことはきっと大丈夫なんだろう。便りのないのは良い知らせ、なんてことも昔から言うみたいだし。そういった安易な解釈をしたうえ、また飲みに出かける。僕の臓器たちよ、今しばらく耐えておくれ。そのうち褒美としてスキャンかけてあげるから日本で。よし今夜は頑張ってるお前らの為に飲もう。祝おう。

 

臓器に乾杯!

コミュニケーション春先

大学の寮から5分の場所にあるドナルドの巣からサラダとフライドポテトを持ち帰って部屋で食べたんだけど、しばらくポテトの存在を忘れてサラダばっか食べてたのね。そして気づいた時にはすでにポテトは他界しておって冷たくなってたのね!冗談じゃないですよと。一口も食べてないですよと。冷めたポテトは毒スティックかと思うほどの味と食感を伴って舌に絡み付く。食えたもんじゃない。そんなポテトも冷めるすがすがしい春先。

近づいて来てるのは知ってるけど、まだ姿を現してない春よ。早く来い。小走りで来てくれ!ポテトが冷めてしまったんだ。結構食べたかったんだ。こちらへ急行して欲しい。なんて、元気に流れていく真白い雲に向かって叫んで託した春宛ての伝言。そんな春とのコミュニケーション。すっかり春になったら相撲でもとろうか。な、キャサリンよ。「いやだ」。そんなケニア出身のキャサリンとの0.8秒のコミュニケーション。コミュニケーションって得てして壊れたり、繋がらなかったりするのね。そこがまた魅力でもあってね。